親戚から新鮮な鮎をいただく
塩を多めに振って内臓を残して弱火でじっくり焼き上げる
河原で立木を拾って焼いた味には届かないけれど
今年最後の夏の味
いつか見ていた夢の為に
いったいどれだけの時間を飛び越えただろう
親戚から新鮮な鮎をいただく
塩を多めに振って内臓を残して弱火でじっくり焼き上げる
河原で立木を拾って焼いた味には届かないけれど
今年最後の夏の味
いつか見ていた夢の為に
いったいどれだけの時間を飛び越えただろう
例えば巨大隕石が落ちて地球が木っ端微塵に弾け飛ぶ時
例えばどこかの国の首脳が核ミサイルのスイッチを押して核戦争が勃発する時
例えば巨大イカが進化して人類が淘汰される時
私の世界が終わる時のイメージは
いつも秋だ
人生は進んでいく
私の中身と外面のギャップは甚だしく
私の人生は、私の外面をベースに進んでいく
新たな命は
果して正しいものなのでしょうか
私はまだ、わからないのです
ただ時が流れて
それが当然のように生じて
私はわからないのです
ここは他とは隔絶された世界のように
わたしから多くの現実をさらってくれる
わたしはどうしても離れられない少しの記憶とその香りを
とてもとても大切に抱いている
俺の顔に泥を塗るな
そう叱られたあの日から
透けるように遠い記憶(わずかに蒼みがかっている)
沢山並べられた自転車
ペンキが剥がれて所々木目がむき出しになった壁
草と湿度が合さって発せられる匂い
疲弊した唇
わずかに蒼みがかった記憶は
随分と透明になってきている