この町に住んでもうすぐ６年 さすがに慣れたけど 自然がないのはやはり辛い 幼い頃から海や川で釣りばかりしていた僕は 今となってはもはや病名がつくほどの釣り好き 最近やっとこの町でも釣りをできる場所を見つけたから ロッドとリールを新調した 毎週末は…

あの海に帰りたい 幾度となく夢見た スズシマからクシマに続く防波堤 テトラポット越しに水平線 クシマの鳥居を通り過ぎ 野良猫の親子を横目に見たら いつかの日 僕等がいたあの海が広がる 大潮の夜 あの海で泳いだ 水をかく度に 夜光虫の大群が青白くざわめ…

冷たく乾いた風が吹いたら また思い出す ただ無邪気で素直だった君は とても愛しくて 僕の全てを愛し、受け入れてくれた君を 僕はむしろ理解できなかった ただ今やっと 君の心に気づいたよ こんなに長い時間が過ぎてから 君の心に触れたよ 僕は許していると…

人はオーラなどと呼ぶ 印象を色に例えたりする キミを色に例えるなら 間違いなく 鮮やかなオレンジ色だった 春孤独を抱え切れなかった僕らは その孤独を埋めるためにひとつになったんだ 夏僕らはお互いを理解しあった ただ真っ直ぐに愛し合った キミと二人で…

月灯りに照らされて 小さな丘が深いグリーンに染まる そこから見える海は 夢の中のような美しさ ゴロンと横になって 星空を見上げる 波の音が少しだけ響いてくる もうすっかり涼しいけれど 潮風は幾分、水分を多く含んでいて 少し体に纏わりつく コオロギの…

一人で歩いていこう 不甲斐ない僕の独り言 グライダー飛ばしてみても すぐ飽きてまた求めてた 君に注がれた愛を素直に 喜べていたら僕も素直に君を愛することができたなら

ただ生きるということすら こんなに難しい 不安や絶望が目の前に立ち塞がる世界で それでも唇かみ締めて でも それができない人もいる 目の前よりも更に先を 一歩下がって見つめられない人がいる だから自分で自分を殺してしまう もう死んだほうがマシだって…