プレパラート

自己主張せず、他人の考えを批判することもしない。
悪口、陰口を言わず、憤りを感じても表面上には出さない。
でもいつでも答えは一つ、自分の胸の中に持っていて
必要なときに必要な分だけ表現する。
それを美しい生き方だと思っていた。
自らに陶酔し、ナルシシズムそのものだった。

でもそれは、他人への無関心。
他人の事を思う気持ちが欠落しているだけだと知った。
ナルシシズムは割れた。
パラパラと、まるでプレパラートのようにパラパラと。
自分を満足させていたものが消えた時
自分は無価値なのだろうか
自分はこれからどう生きるのが正解なのだろうか
わからなくなった。