正しくは

何を思い

生きてきたのか

今日のこの日までの

道のり

それすら忘れ

どれだけの月日が過ぎ

虚な其の瞳は

今何を見ているのか

小さなものに囚われ

まるで手枷をはめられたように

動けない


海がみたい

緑がみたい

澄んだ空がみたい

つまり其処にしか居場所などない

あの場所に帰りたい

あの場所に帰りたい

願えども願えども

遥か彼方に朧げに揺れる

地に膝をつく

正しくは

あの人との時間を渇望しているのだと

それは他の誰にも言えない秘密

ましてやあの人に

伝えるなんて事は

大きな罪だと

ピアノの音のような

穏やかで甘い声を

もう一度聞きたいなんて

そんな事を伝えるのは

決してできない

罪だと