何よりも碧く

あの海に帰りたい


幾度となく夢見た


スズシマからクシマに続く防波堤


テトラポット越しに水平線


クシマの鳥居を通り過ぎ


野良猫の親子を横目に見たら


いつかの日


僕等がいたあの海が広がる


大潮の夜


あの海で泳いだ


水をかく度に


夜光虫の大群が青白くざわめく


神秘の世界に飲まれそうで


命すら投げ出したくなった


あの海は


いつかの僕等を優しく抱いてくれたあの海は


今でもあの場所で輝いてるのかな


たくさんの生命と神秘を


その胸に抱いて


また僕等を迎えてくれるのかな


あの海へ帰りたい


もう仲間は残っていない


僕はとうとう一人になった


それでもあの海に帰りたい


もう一度神秘の中に溶けていきたい