またひとつ遠くなった


今はもう願いはないけど


遠くなっていく景色に手を伸ばし続けた10年は


依存心となって此処に転がっていて


それを持て余している


当時の記憶は白く霞んでぼんやりと浮かぶ


ああ


あの時の僕は


今の僕を許すだろうか


どうしてなんだと


責めたてるだろうか


涙を流して睨むだろうか


思いのままに生きた僕は


いつしか面倒なものから逃げ続けて生きてきた


面倒なものほど愛し、決して手放さなかったあの頃は


ひとつずつ遠くなるのに


12月8日に僕を迷わせる