遺書

例えば何かがあって意識さえない病人になって
あなたの口づけでも目覚めないならお願いよ
その腕で終わらせて恐れずに
最後の顔焼き付けて
見開いた
目を優しくふせて



脱力した私の身体を
愛を込めて撫でてください
穏やかにあなたの側で眠りについた日と同じように
愛おしい目で私を眺めてください

きっと死後の世界は存在せず
私の意識は欠片も残らず消滅するのでしょう
あなたの愛を感じることは決してないのでしょう

永遠に続く夢のない眠りのなかでも
私の愛は形を遺し続けられるはずなのです