2015-06-08 ■ 冬の日 慌ただしく行き交う人混みの中で 私はヘッドフォンを耳にあて ピアノの音色を聴いていた 癒えない傷と悲しみを 貴方の記憶と共に抱いて空は意識が遠退くような紺碧色で 遠くに微かに瞬く星に 私はそっと手を伸ばした 掴めない記憶は もはや私自身の創造物で この世界の何処にも救いがないことに 私は気づいていた死の向こう側にいる貴方が 両手を広げて私を迎えてくれる 弾けるような笑顔で 貴方は私を迎えてくれる