プリズム

誰かが言いました
思い出は記憶の断片と断片によって
再構築される創造物なのだと
思い出すことは
幻を見るのと同じことだと

私は思い返します
貴方の言った言葉を
笑った顔を 声を

記憶の断片と断片を集め
つなぎ合わせ
私の脳裏に鮮やかに蘇る貴方は
もはや貴方ではないのかもしれない

もしかしてあんな“時”は
存在しなかったのかもしれない

それでも私は信じたいのです

劣化しない記憶もあると
そう言い放った貴方の横顔を

何よりも純粋だった17歳の私達を