南大阪のどこかの駅で

寒い冬の夜に電車を待っていた

仕事を始めたばかりで

まだまだ失敗ばかりしていた私は

その日も取引先の担当者に頭を下げ

とても疲弊していた

大阪府下というのに

私以外誰もいない駅で

私はイヤホンをつけ

煙草に火をつけた

なんでだろう

あの時私は幸せだった

ポッと心に明かりが灯って

私はまだ頑張れると

そんな風に思った

固く凍りついた心が

じんわりと温められ

ゆっくりと溶け出して